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シニグ祭の流れ(1)

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16日のサアクラ造りと神道作りと旗作り

何処のサアクラも、その構造は大同小異である。どのサアクラも16日の早朝座元に集まり、高さ1.8m余りの柱(竹や雑木の枝葉を伐り除けたもの)に横木または横竹を結び締め、だいたい二間半の間取りの骨組みを作り、屋根は薄(今は青カバー)をかぶせる。中には、筵を敷き座れるようにする。
サアクラを造るときには、簡単な浄め祓いの行事がなされ、近親者の男数名がこれに当たる。江戸時代には、サアクラとは別に神小屋が造られ、7日前からヌルが禊をしてこもっていたと言われている。
神道作りは、手に鎌を持ち紙衣を着て雑草や雑木などを伐り除ける。
これは、神がお通りになる前にサキバレエ(先祓い)である。
シニグの神道は、大昔の遠祖の移住経路を示すもので、サアクラによっては海に通じる路もあれば、シニグ元に通じるものもある。
あと、シニグ元においてはシニグ旗が作られる。
しにぐ旗は、約5m位のヤンバル竹を伐り、先端の小枝を3本残して1mぐらいの小竹を2本先端の小枝3本残し左右対称に束ね、十字にし上から白布で巻きつける。
白布の両端は1~1.2m位下に垂らす。
16日の日には、神酒を造るため、氏子の男世帯は新米2升、女世帯は2合をシニグ元に供え、男1人女2人を選任しミキを造る。新米を臼で挽いて粉にし、うすい粥を炊いて造る。

 

16日の前夜祭

前夜祭が行われる処もあれば行わない処もある。
ニッチェエサアクラでは、僅かに宣り言のみを奏上する。
ハニクサアクラでは、夕方5~6時ごろ親族が神酒やご馳走を携えてサアクラに集まる。神体の前に三方(高盆)を置きその上にガジュマルの小枝を立て、茶碗に水を入れ竹葉を浮かべる。パラヂ(親戚)は、その年の新米を1合ずつ
持参し供える。
一同はサアクラの中に座る。


<参加者の服装>
祭主 赤帽子(ふちなし、冠代用)をかぶり、白衣、白足袋
ヌル相当役(女) 白鉢巻、白衣、白足袋
旗持ち 白たすき、白と赤の二色の鉢巻姿
パラヂ(親戚) 服装は自由
グシクマササアクラの祭主は、茶色の帽子をかぶり、白衣を着て、青と紫の二色の帯を両肩にかけて襷となし、背中で結び下に垂らす。


<降神の儀>
祭主の神に合図する「オオオオー」という唱え声が、太鼓の音に合わせて響く。

 

<祭主の宣り言奏上>
トオトゥ、トオトゥ、トオトゥガナシ、シニグぬ神ガナシ。
ヒュウ(今日)ヤ、十六日ぬピイ(日)、クサグサ(種々)ぬムヌ(物)、
スナ(供)イティ、サアクラチュク(造)り、準備ぬピイ(日)。
アッチャア(明日)から、三日ぬ、祭り方シチ、ウトゥ(御取)イ持チシ、フゥガ(拝)ミャアブウクトゥ 、受キ取ティ、タ(賜)バアリ。
マタ、フウ此ぬ屋敷神、アムトゥガミ(吾元神)、ウトゥ(御取)イ持チシ、フゥガ(拝)ミャアビュラン。トオトゥ、トオトゥ、トオトゥガナシ。

宣言奏上を終えてから、パラジ(親戚)の持参した神酒(焼酎)やマサムヌ(ご馳走)を先ず神にお供えし、祭主、ヌル相当役、旗持ちの順番に配り、お互い配り合って酒盛りが始まる。マサムヌは木の葉に盛って出される。
適当な頃に「神遊ビヌ歌」が、三味線や太鼓の音に合わせて歌われると、祭主、ヌル相当役、旗持ち、年長者のパラヂ、一般参加者のパラヂの順に踊りがなされる。

 

<神歌の歌詞>
天ヌ神様ヨオ 生命長く賜バアリ グクヌ神様ヨオ 真米賜バアリ
雨賜ボリ賜ボリ 風旱イ有ラスナ 島が富ドゥ世ガ富 有ラチ賜バアリ
此ヌ庭ヌ中二 桃ヌ木植イティ 此リガ花咲カバ 世ガ富真米 しばらく歌舞が
行われてから、一同は祭主の拝礼と共に座礼してから解散する。

 

<御迎エと御送イ>
明治3年までは、ヌルは神迎イ神送イ祭を行っていた。
麦屋のサキマ・ショオ・キンヌのシニグでは、シニグ本祭の朝早くシニグ元の祭主がアアサキウガンに牛を連れて参拝し、宣り言して神迎えを行い、浜に降り海水で身を清め浜の砂を持ち帰りサアクラに撒きサアクラを清める。

 

<ウガンの宣り言>
ウプアガリ、ウプグチカラ入ッチャル、シニグ神ヌ、三年廻リヌ、祭リシャアビュラン。
ティラサキサアクラでは、三日前から身を清め、ウガン場所にこもり夜通し神憑りをして神を迎え、豊年吉凶の信託を受け十七日の神送りが済むまで神としての待遇を受けた。
そして、十七日の朝、氏子やパラヂ達とウガンを出発し、神路を通り途中四箇所の神石の周りを各々一回左回りする神事を行い、タカヤパンタに至る。
タカヤパンタでは、ムカイシニグのパラヂ達が旗を上げ一同を待つ。
クルパナサアクラでは、16日の夕刻からウガン場所に行き身を清めてこもり、神迎えをして夜通し神の託宣を受け、十七日の朝パラヂ達と共に神路を通り、マシキナ池を通りタカヤパンタに至る。
ティラサキサアクラを迎えるのは、グシクマササアクラとメエダサアクラで、クルパナサアクラを迎えるのは、ピサトゥサアクラとユントゥクサアクラである。
ティラサキシニグとクルパナシニグがムカイシニグと共に、以前はタカヤパンタで合同のパルシニグを行っていた。
グシクサアクラの祭主が、神託を受けたティラサキの祭主に世柄・豊年吉凶を聞く。
神送りは、ティラサキの一同はタカヤパンタでグシクマサの一同と別れ、プカナとショオに行って酒盛りをなし、麦屋のウタナ井戸の傍にある小高い石の上に服装を脱いで載せ、東方を遥拝して神送りをした。グシクマササアクラでは、城の東のシチャタアという田の東方土手に神事に用いた服装などを置き、東方に拝礼し神送りを行っっている。

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